神は細部に宿る

タイトルは、近代建築の巨匠、ミース・ファン・デルローエの言葉ですが、本を校正している時からこの言葉を思い出していました。

これまで短い文章を結構書いてきましたが、それは一つ一つが完結していて、建築ならば小さな小屋をたくさん造るようなことだったのかもしれません。

ところが大きなビルを造るとなると、その隅々まで気を配ってひとかたまりにするのは大変です。

実際にマンションの建設現場なども見ましたが、竣工前の検査などでダメ出しがあって、部屋のあちこちに直しが入っていました。

今回実際に本を校正してみると、読み返すたびにおかしなところや間違えが、後から出るわ出るわ・・・

そうやって直して直して出来上がったのですが、校正のプロが見たらまだまだ埋もれているのかもしれません。

言い回しなどは、日本語としておかしくなければ、それは私が書いた言葉ですから、ある程度の癖として残っていてもいいと思うのですが、誤字脱字はやはり論外ということになるのでしょう。しかし、ここまで時間と手間がかかるとは予想以上でした。

実際ここ数年、雑誌でもWEBでも、読んでいて誤字脱字が多くなったような印象を持っていましたが、やはりそこまでコストをかけられないのでしょうね。

無料で個人が発信している文章はともかく、広告収入などで運営されているなり、なんらかの収益を生んでいる文章などは、やはりある程度以上の品質は保ってほしいものです。

それ以上に細部まで気を配って作られたものが、大きな全体となった時に放つ迫力とか美しさは、やはりそうでないものとは一線を画すと思うのです。

今回自分の本がどこまでできたのかは定かではありませんが、それでもいい加減にやっつけたわけではありません。

「もうこれ以上自分ではできそうもない。」というところまできて改めて見直すと、やはり時間をかけてよかったと思いました。

神は細部に宿る。

自分にどこまでできるかはわかりませんが、志はそうありたいと思っています。