破産のススメ

破産のススメ

著者本人の実体験にもとづき、法人個人の同時自己破産の実体を解説。
実際に本案件を担当した弁護士が監修。
現代日本の厳しい経営環境の中では、多くの中小企業の経営者が苦しんでいる現状です。
著者の私自身もそうでした。現実に経営苦で自殺してしまう人たちもいます。
そんな悩み苦しんでいる人たちに届けたいとの思いから書いた本です。
法人・個人の自己破産の経験を時系列で詳細に解説しています。

<3つの特長>
1.著者の実体験による破産の実体の解説
2.実際に本案件を担当した弁護士の監修
3.破産手続きの詳細なマニュアルとして活用できる

【書籍詳細】
 書名:破産のススメ
 著者:荒石 誠
 価格:980円(Kindle価格)
 体裁:電子書籍
 フォーマット: Kindle版
 ファイルサイズ: 1323 KB
 販売: Amazon Services International, Inc.
 言語:日本語
 ASIN:B076444SX6
 発売日:2017年10月20日

プリントオンデマンド版ペーパーバック 10月28日出版

【書籍詳細】
 書名:破産のススメ
 著者:荒石 誠
 価格:1,296円
 体裁:オンデマンド(ペーパーバック)112ページ
 出版社:NextPublishing Authors Press
 言語:日本語
 ASIN:B076LXD6GW
 発売日:2017年10月28日

破産のススメ <「はじめに」全文および目次> 

はじめに

今年、平成二十九年三月、私が代表取締役社長であった会社の破産と、私個人の破産を決断しました。

裁判所の司法統計によると、平成二十七年度の破産申立件数は約七万件でしたが、私も今年の統計ではそのうちの一件になってしまいました。

タイトルの「破産のススメ」ですが、本来おすすめすることではありません。

なぜなら、すべての債務を踏み倒すことになりますし、私も今回の件では、たくさんの方々に、多大なご迷惑をおかけすることになりました。

御迷惑をおかけした方々には、この場をお借りいたしまして、深くお詫び申し上げます。

今回私は、どうにもならないところまでいって破産をしましたが、もっと早い段階でやめていたら、ご迷惑をおかけする範囲はもっと小さくできたと思います。その経験も踏まえて、今現在苦しい状況の方々にはよく考えていただけたらと思います。

破産にいたった経緯は本編でおいおい書いていきますが、実際のところ破産がどういうことなのかは意外と知られていないと思います。

私自身がそれまで破産ということに対して持っていたイメージは、なんだか大変な事、恐ろしい事、なにもかも終わってしまうのではないか? という漠然とした恐怖でした。映画やドラマに出てくるような、債権者が押しよせて責めたてられるようなシーンを頭の隅で想像していました。

とくに日本では、「借りたお金はなにがなんでも返さなければいけない」というのが倫理的にも道徳的にも強く、その為に途中で白旗を上げることもできずに、最後の血の一滴まで流しきってしまうような経営者の方も多いと思います。

私自身、今年の三月には、もうこれ以上資金繰りや経営を継続することは無理だと判断しましたが、それがすぐに破産の申立につながっていたかというと、必ずしもそうではありませんでした。

それほどに破産の実態も知らず、破産するための法的な手続きや、それによって生じるメリット・デメリットも知らず、それが行動にうつせない最大の障害になっていたようです。

それに、いざやめるにしてもそれまでの経緯がありますから、いきなり破産という結論に飛びつくのも難しかったのです。経緯はどうあれ、会社で仕事をしている従業員やその家族、継続中の仕事など、その時の自分の立場を無責任に放り出すということができなかったのです。多くの借金を抱えた赤字体質の会社経営の中で、私はとても長く惨めな時間を過ごしてきました。

それでも、どうにかしよう、なんとかしようと頑張ってみましたが、現実はドラマのようなわけには行かず、ダメなものはダメでした。

そしてついにもうこれ以上続けることはできないところまで追い詰められて破産を決断することになりましたが、いざ破産することになってみると、「なぜもっと早くしなかったんだろう?」そう思うほどに、破産することのデメリットは私にとって小さいものでした。

いずれにしろ、これ以上会社を続けることは無理だと判断し、三月に動き出してから約五ヶ月後の、八月九日に東京地方裁判所から免責が許可され、ようやくすべての手続きが終わりました。

この本の中では、私が実際に経験した体験談とともに、破産の実態や手続きについて書きました。

法律的な部分については、実際に本件を担当していただいた、藤田智弘弁護士監修のもと、できる限り正確を期しています。

東京地方裁判所から免責(債務に対する責任を免除される事)が許可された今、破産の実態をより多くの人に知っていただき、今も悩み苦しんでいる中小企業の経営者の方々に、少しでも本書がお役に立てれば幸いです。

<目次>

はじめに
【本書の構成について】
【第1章 破産に至る経緯】
・会社との関わり
・過大な債務の存在
・会社を引き継いで
・一息ついたものの
・借り換えできない?
・これ以上は無理

【第2章 破産手続きの開始にあたって】
・破産のススメ
・どこの誰に相談したらよいのか?
・初めての法律相談
・やるべきこと
・債権者リスト
・法人と個人の破産の違い
・自己破産事件委任契約
・手続きにかかる費用

【第3章 すべてを清算する】
・会社の整理
・雇用関係
・事務所明け渡し
・どこかに金はないか?
・自己破産のデメリット
・会社がなくなって
・破産したのは私だけ
・健康保険

【第4章 法的な手続き】
・破産の申立
・管財人
・過払金請求
・人生の夏休み
・債権者集会
・免責

【第5章 破産手続きの流れ】私の場合
・ひまわりほっとダイヤルに連絡
・弁護士から面談予約の電話が来る
・弁護士事務所にて弁護士と面談
・破産手続きの開始
・債権者リストの作成
・その他必要書類を揃える
・弁護士との契約
・過払金請求
・会社の実体の整理・事務所等賃貸物件の明け渡し
・会社と個人の資産等の清算
・雇用関係の諸手続き
・破産手続にかかる費用の払込み
・個人の健康保険の加入(協会けんぽの任意継続)
・地方裁判所への破産申立
・裁判所が任命した管財人との打ち合わせ
・債権者集会
・裁判所から免責許可の決定
・破産手続きの流れ・フローチャート

あとがき